水やり

群馬県でウネ作り屋さんとして活躍されている佐藤勇さんと、
菌ちゃん農法を連載している雑誌「やさい畑」の取材チームの方々と同行して
群馬県内の菌ちゃん農法を実践している箇所を巡回、視察しました。

ウネ作り屋さん大活躍で、
自身の畑以外に、多くの市民が実践できるように共同畑を管理し、
さらに、個人の家庭からの依頼、老人ホームからの依頼で、
とても各地にとても理想的な菌ちゃんウネができていました。

特に老人ホームでは、入居者の方々がすごく楽しみにされていて、
これから愛情をそそいでくれるので、
今後の野菜の生長がとても楽しみです。

巡回、助言する中で気づいたことを報告します。
群馬県は今年は特に雨が降らなかったこともあって、
どこのウネも水不足状態でした。

「糸状菌は水が嫌い」というイメージを強く持ちすぎていて
水やりを控えているかたが多いようです。

糸状菌は水に浸かってしまったら死んでしまうかもしれませんが、
高ウネですから普通にかん水しても、土に空気がなくなることはありません。

それよりも、エサが乾きすぎてしまっては、糸状菌は食べることができません。
エサを食べないとエネルギーを得ることができないので、
空中窒素を窒素肥料に変えることはできなくなり、肥料不足状態になります。

そして、野菜自体も土の過乾燥が原因で、ダニが発生している箇所が各地で見られました。
ダニが発生すると、葉の裏が白くなってきて、
白いところをよ〜く見ると、とても小さい赤い点が動いているのがわかります。
それがダニです。
至急水やりしました。

そして水やりのしかたですが、
オンライン講座の中の動画で説明したやりかたが、唯一の方法だと思っている人も少なからずいました。
オンライン講座で説明したやり方は、水を節約して与えたい場合の、とても効果的な方法です。

でももし水はじゅうぶんにあるのでしたら、
ジョロの先やホースの先をマルチの穴から差し込んで、マルチの下の土全体にたっぷり水をやります。
その際、株元に近すぎて、水圧で土が流れて根が露出しないようにします。
やるときはたっぷりやって、しばらくは水をやらないようにします。
この方法ならウネの上部にある、乾いてきたエサもじゅうぶん湿らせることができるので
菌ちゃんはますます元気になり、野菜も元気になります。

菌ちゃんの土づくり後、2〜3作をするまでは、必要な時は水やりを行ってください。
2〜3作を続けて、毎回、収穫終了後は地上部だけをカットすると、
地下部の根は死んで菌ちゃんのエサになりますし
その根の空間を通って、糸状菌や次の作の根がさらに下に伸びていきます。

さらに溝のほうは、雑草を生やしたり、溝の中央部に1条、麦類を植えることで
その根が溝の下の排水性を高めていきます。

結果として数年後、植えた野菜の根は
高いウネを下に伸び、さらに溝より下まで伸びることができるようになるので
従来の土に比べて、少々の干ばつでも野菜はよく育つようになってきます。
ですが、最初の1~2年は、土が乾いたら水やりを忘れないようにお願いします。