菌ちゃん農法という言葉がどんどん広がっているので、
ここであらためて誤解のないように言葉の説明をしておきます。
間違って理解している人がいたら教えてあげて下さい
菌ちゃんとは?
微生物のことを尊敬と親しみの気持ちを込めて「菌ちゃん」と呼んでいます。
菌ちゃんは、死んだ生命(有機物)や、腐敗・酸化した有機物も食べて増え、
新しく生まれる生命の材料につないでいきます。
その結果、地球上にはたくさんの生命が満ちあふれていきます。
やがてそれらは死にますが、菌ちゃんの力でまた新しい生命に作り替えられます。
つまり、この地球の生命循環(物質循環)が続いていくための
動力(ポンプ)の役割を担っているのが菌ちゃんなのです。
死んだ生命を食べて、そこに生命力を復活させる菌ちゃん。
その「生命活性化成分」には、
「乳酸菌生成物質」、クロレラの「CGF」、パントエア菌の「LPS」
その他様々なものがあります。
まさに菌ちゃんが、植物や私たちに、生きる力、活力を与えていたのです。
死の局面に現れて、いのちを吸い取り、新たないのちを作っていく・・
これって、アニメ映画「もののけ姫」に出てくる「シシ神様」のことですよね!
だから、菌ちゃんパワーのことを「シシ神エキス」と呼んだりします。
菌ちゃん野菜とは?
土壌中の大量の有用微生物に囲まれて育った野菜。
人にはとっても美味しいのですが、抗酸化力が高いため虫にとっては食べにくい野菜のことです。
有機野菜とは、化学合成農薬や化学肥料を使わずに育てた野菜のことで、
多くの有機野菜は、菌ちゃん野菜なのですが、
一部は、有機肥料の入れ方等によって土が腐敗していて、
本来なら抗酸化力の少ない、病害虫が発生しやすい野菜になっているのに、
太陽熱による土壌消毒や防虫ネット、微生物農薬等、安全な方法で病害虫から守っている有機野菜もあります。
この違いがあるため、あえて「菌ちゃん野菜」と呼んでいるわけです。
菌ちゃん農法とは?
広い意味では、菌ちゃんいっぱいの土で元気な菌ちゃん野菜を育てるための方法と言う意味でしょう。
その意味では多くの有機農法と菌ちゃん農法は同じと言えます。
ただ、農業は工業と違って自然相手なため、
地域、土壌、その年の天候等によってやり方が変わるため、
どの有機農法もあまり具体的に表現できず、
そのため農業未経験の人には実践しにくかったのです。
そこで、菌ちゃん農法では、
やり方を、できるだけ数字等で具体的に表現することで、
まったくの初心者でも実行できるように工夫しました。
なので、1年目はいい加減に応用せずに、決まった通りにやって、
2年目からは自然相手に応用を楽しんでください。
菌ちゃん農法は大きく3つのやり方に分かれます。
どれも土を有用菌ちゃんいっぱいにする方法ですが、
土壌環境や、入れる有機物によって、そこではたらく微生物の組成もまったく異なります。
これをごっちゃに理解している人は多いです。
1. 生ごみ等チッソ分をたくさん含むもの(腐敗しやすい)を使って菌ちゃんいっぱいの土を作る。
2. 木や竹等チッソ分のとても少ないもの(腐敗しにくい)を使って菌ちゃんいっぱいの土を作る。
(最近はこの無肥料菌ちゃん農法が、菌ちゃん農法として認識されています)
3. 草や野菜収穫残渣など、上記、1と2の中間的なものを使って菌ちゃんいっぱいの土を作る。
初心者は初年目はどちらか一つだけを選んで、その方法の部分だけ読んで実践して下さい。
無肥料菌ちゃん農法について
ひとめでわかる特徴は、とても畝が高いことです。
なぜそんなに高くするのか
糸状菌(主にキノコ)は土が水浸しになると育たなくなるからです。
畝の高さは、菌ちゃんのエサを乗せる前の段階で、45cm以上と書いています。
そうすると、エサを乗せて土をかけてマルチを張った時の畝の高さは、55cmくらいになります。
曖昧にしては初心者は迷うので、このように断定した数字を書いています。
これだけ高くすると、排水の良い土の場合は乾きすぎるのではと心配する人もいます。
その通りです。
なので、かなり重い重しを乗せることで、重しの下の土は毛細管現象で乾かないようにします。
逆に、粘土質の土の場合でも、これだけの高さを確保すれば、
土が畝の上まで濡れていても、少しは土中に空気があるので、糸状菌が生育できるのです。
従来の農業では、糸状菌は土が乾き気味の時だけ活発に活動する脇役でした。
ウネを高くすることで、森の中のように、いつでも活発に活動できるようにしたのです。
他の様々な目に見えない細菌たちと協力して、
高いウネの中では森のように様々な糸状菌(キノコの菌糸)が次第に伸びていきます。
ところで自然界には、空気中の8割も占める「気体のチッソ」を
アンモニアやアミノ酸などに変えることができる、
「チッソ固定細菌」の仲間がたくさんいるそうです。
糸状菌は、このチッソ固定細菌と共生することで、不足するチッソ分を補って成長します。
そして、様々な糸状菌がお互いにつながり、
その中には、野菜の根と共生関係を結ぶ糸状菌もいて、
結果的に野菜にもチッソ肥料が供給されると考えられます。
一番重要なチッソ肥料について説明しましたが、
要するに、土の中では様々な土着の糸状菌がネットワークを張り巡らせ、
そこには様々な見えない細菌たちもそれぞれの役割を果たしていて、
野菜などの植物たちとも共生関係を結ぶことで、
野菜は生育に必要なものをもらって健康に育つと考えられます。
微生物は、チッソ、リン酸、カリ、その他数多くのミネラルを植物に渡すだけでなく、
様々な成長促進物質(上記「菌ちゃんとは?」で説明した「シシ神エキス」)
も作りますから、植物はいっそう元気に育ちます。
それは、腸内細菌叢の状態によって、
私たちの健康がかなり大きく変わってしまうことと同じ原理なのでしょう。
※詳細は「菌ちゃん野菜作り&菌ちゃん人間つくり」(660円)をご覧下さい
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