化学肥料使用について

今回は化学肥料の液肥について

化学肥料と言っても、窒素N,リン酸P、カリKそのものを化学的に合成することは出来ません。
多くは天然鉱石から精製したものです。
ただ、窒素は天然鉱石から取り出していると、やがて底をつくため、
現在は空中の窒素に水素(天然ガス由来)を反応させて作っています(ほぼ全量輸入)

それに対して、木など自然物を使った菌ちゃんの土づくりでは、
空中の窒素を微生物の力で、植物が吸える窒素肥料に変えています。
ということは、天然ガスを使うのか、微生物の力を使うのか
という大きな違いがありますが、
空中窒素から作っている点においてはどちらも同じです。
つまり、化学肥料自体が何か有害というわけではありません。

ただ、菌ちゃんの土づくりの場合、
使われる自然物はもともと健康な生命体だったのですから、
ミネラルなど、生命に必要な全ての成分を当然含んでいますが、
化学肥料の場合は特定の成分だけしか含まないので、
使いすぎるとミネラルバランスが崩れ、病害虫が発生しやすくなります。

そして何よりも、化学肥料を微生物は食べられないので、使いすぎると、
菌ちゃん野菜のパワーの源泉である、一番大切な「微生物」さんが、
土の中で増えてくれないのです!!

そんなわけで菌ちゃんふぁーむでは化学肥料は基本的には使いませんが、
化学肥料自体が悪いものではないのです。


これまで土づくりは5年かそれ以上かかると言われていました。
それはその通りなのですが、
菌ちゃん農法だとたった3か月で、(土づくりは未完成なのに)、
菌糸と野菜の根(苗またはタネから発芽した根)が直接つながることで、
元気な野菜が育ってしまうという、すごいことがおきるようになりました。

ただ、やはり3か月では、まだ菌ちゃんが土全体に増えているわけではなく、
そのため、野菜のタネや苗を植えたとき、
たまたま菌糸が近くにいたら、菌糸と野菜がつながって、野菜はグングン育つのですが、
菌糸が近くにいなかった場合、ほとんど育たないのです。

そこで、菌糸が野菜の根まで到達するのを待つのではなく、
根のほうも伸ばせば、速くつながることができると考えました。
そのためには野菜自体に一時的に肥料を与えたらいいわけです。
つまり、すぐに肥料が効いて、かつすぐに消費されてしまった方が、
菌ちゃんが働きやすくなります。
それには、化学肥料主体の液体肥料が一番良いのです。
それで、このたび、植付の時だけ使用する液肥として、
化学肥料を小分けすることにしました。

以上、菌ちゃんふぁーむで化学肥料を小分けして販売開始した理由を書きましたが、
これはひとつの考えです。
化学肥料は一切使わないと決めて、有機肥料で液肥を作って使う人も素晴らしいし、
そもそも液肥なんて使わないで育てる人もおられるわけです。

化学肥料があったからこそ、多くの人類の食糧が供給できたわけで、
今現在、慣行農法で栽培している人は、
人々みんなが生きるための食糧をまかなってくれている大切な方々です。
ただ、もうそろそろ、自然の循環の原理に沿った食糧を生産する人の割合が増えていかないと、
地球環境は限界に近づいている気がします。
でも、農業で生計を立てている方々は、そう簡単には転換できません。
だからまずは、とびきり元気で病害虫に強く、
なによりもはっきりと味に違いのある菌ちゃん野菜作りが
市民の方々の間でどんどん広がっていくことで、
やがて、自然の循環に沿った農業に切り替える農家が増えてくると思うのです。
そして、みなさまの実践と発信によって、実際その通りになりつつあるので、
本当にありがたく、ありがたく、ワクワクしています。

★植付の時だけ使う液肥 購入はこちら
https://kinchan.ocnk.net/product-list/7